信頼が育つ伝え方の習慣VOL4


人を育てようとしないほうが、人は育つ

― 脳が自ら動き出す関わり方 ―

一生懸命教えているのに変わらない現実

「何度も伝えているのに、同じことを繰り返す」
「ちゃんと教えているはずなのに、部下が育たない」

人を育てる立場にいる方ほど、
こんなジレンマを感じたことがあるのではないでしょうか。

時間をかけて説明し、
先回りしてフォローし、
失敗しないように導いている。

それなのに、なぜか相手は変わらない。
むしろ、言われないと動かなくなっていく…。

実はこの現象、本人の意欲や能力の問題ではなく、脳の仕組みが大きく関係しています。

教えすぎると、なぜ人は止まるのか

このシリーズでずっとお伝えしていることですが・・・

人の脳には、「自分で決めたい」「自分で考えたい」という
とても強い本能があります。

ところが
・答えをすぐに与えられる
・やり方を細かく指示される
・正解を先に示される

こうした状態が続くと、脳はこう判断します。

「もう考えなくていい」
「指示を待てばいい」

すると、思考する回路が使われなくなり、
自分で判断する力が眠ってしまうのです。

一生懸命教えているつもりが、
実は考える力を奪ってしまっている
これは、とても起こりやすい落とし穴です。

脳が「考える力」を取り戻す関わり方

では、どう関わればいいのでしょうか。

ポイントは、答えを渡すことではなく、問いを残すこと

たとえば
「どうしたらいいと思う?」
「他に方法は考えられるかな?」
「あなたなら、どれを選ぶ?」

こうした問いかけは、
相手の脳を「受け身」から「主体」へと切り替えます。

最初は時間がかかるかもしれません。
的外れな答えが返ってくることもあるでしょう。

それでも、
「考える」という行為そのものが、脳を育てていきます。

人は、自分で出した答えにこそ責任と愛着を持つのです。

任せる前に必要な信頼の土台

ただし、いきなり「任せる」だけでは逆効果になることもあります。

大切なのは、
「あなたを信頼している」というメッセージが、
言葉や態度からきちんと伝わっているかどうか。

・失敗しても頭ごなしに否定しない
・結果だけでなく、過程を見る
・できている点を言葉にして伝える

この積み重ねが、
「自分はここにいていい」
「挑戦しても大丈夫」
という安心感をつくります。

安心できる土台があってこそ、
人は自ら一歩を踏み出せるのです。

育成とは「管理」ではなく「尊重」

人を育てるというと、
「管理すること」「正すこと」と思われがちです。

けれど本当の育成とは、
相手をコントロールすることではありません。

その人の中にある力を信じ、尊重すること。

教えすぎず、
縛りすぎず、
考える余白を残す。

その関わり方こそが、
脳を目覚めさせ、人を自然に育てていきます。

「育てよう」と力を入れすぎないほうが、
人は不思議と、のびのびと育っていく。

それは、脳が本来持っている
“自ら動き出す力”が、きちんと働き始めるからなのです。

私が尊敬する経営者さんの会社、宮田運輸さんでは、

管理職とは言わずに、支援職と呼ばれているそうです。
使う言葉から変えていくのも素晴らしいなぁと思います。

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